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陰謀論とのつきあい方~大切な友人や仲間、そして自分の勉強や仕事の時間を失わないために~

先だっての「美味しんぼ」騒動のときから考えていたことです。

某所では限定的に公開しているのですが、私にはこういった方々とネット上で正面切ってたたかう時間もありません。転職したばかりで勉強中の身ですし、自分を磨くことの方がよほど大切です。

しかしながら、リアルで正しい知識の啓発に努めるなど、「戦わない戦い」はできますし、実際医療や科学に携わる多くの人はそうしているはずです。ネットで陰謀論を展開する方々も、それに真っ向勝負を挑む人たちも、ともに世の中からみれば「ごく一部」であることを忘れてはならないと思います。

・反原発(と名乗る「反『フクシマ』」)、反ワクチン、反精神医療、反医療。実に親和性が高い。

・反「フクシマ」に関しては、陰謀論者と左翼思想勢力が混在しているように感じられる。共通するのは、ちょっとでも彼らの言説を否定したり疑問を投げかけるようなことを言うと総攻撃を食らってしまう。

・自分自身としては、福島住民への理不尽な攻撃・差別や、ワクチン忌避、精神医療の拒否などは「トンデモ」と考えていたので、勉強しようなどとも思わなかったが、彼らの拠って立つところをきちんと勉強しないと、いざ攻撃されたときに大けがを負ってしまう。
(ついこの間まで、サ○○ントロジーという言葉すら知りませんでした。我ながらお恥ずかしい…)

・基本的に彼らの論拠は最終的には陰謀論。陰謀論者は、根底にある陰謀論やそこから派生した反原発論、反ワクチン、反精神医療、反医療を否定されることに極度に敏感であり、こちらが正しかろうが間違っていようが、火をつけると大変なことになる。

・彼らの論法は自分たちに都合のいいデータをはほぼ無批判に提示するが、都合の悪いデータは陰謀論を根拠にデータそのものを否定する。だからどうやったって「論破」や「納得」「同意」などに導くことはできない。

・彼らは基本的にネット上で徒党を組む。ある一人を論破したり、黙らせたりに成功しても、また別な一人が「東電・政府の狗」とか、「工作員」とか罵声を浴びせられ、ひとつひとつに丁寧に対応しようとするときりがない。彼らの攻撃の神髄はディベート技術にあるのではなく(むしろそっちは下手)、その物量にあることを認識すべきである。

・千人に一人しか信じていない言説であっても、国内には信者が10万人おり、うちたった十人からに一斉に攻撃を食らったらそれだけでネットライフ、場合によってはリアル生活にも多大な影響が出る。

・彼らへの対応の基本は、火をつけないこと。陰謀論そのものを決して否定しないこと。

・そして、よほどの覚悟がない限り(彼らの対応に日常生活の全てを捧げるくらいの覚悟)がない限りは、SNSやブログなどで公開された状態でワクチン、精神医療、原発の是非や福島県民の被爆の現状については 不用意に 語らないこと。(その覚悟で言論を展開されている諸氏には、本当に頭が下がりますが、私にはできません…)

・一方、ワクチン、反精神医療、反医療については、製薬会社と医療界の癒着とか、そういった業界の内包する弱点を巧みに突き、そしてそれを論拠として全てを否定にかかる。さらに彼らは「悪魔の証明」を求める。どちらが死者や後遺症が少ないなどの比較判断に対してはこれを「非人間」扱いする。これも共通した特徴。

・前述の通り所詮彼らは何を言ったって「論破」されることはないのだし、もともと自らの言説を曲げることはつゆほども考えていないのだから、こっちが柔軟な姿勢で真摯に議論をしようとするととんでもない目に遭う。彼らの言うことは「部分的には間違っていない」わけだし、陰謀論が必ずしも100%間違っているわけではないというのもまた事実なので、そこをきちんと認めた上で、「勉強させていただきました。ありがとうございました。」と穏便に別れ、その後そういう輩はアク禁・ブロックというのが一番穏便な対応。

・彼らの中には非常に純粋な動機や優しい心の持ち主や、本当にワクチン禍・医療事故・原発事故関連で落命したり後遺症に悩む人の家族・親戚もいる。人格攻撃だけは決して行ってはならない。

・一方で、この話題に関連して人格攻撃を自分が受けた時は、たとえリアルのかけがえのない友人であったとしても、もはや友人関係の存続はあきらめた方がよい。ディベート文化のなかった本邦では、残念ながら意見のやりとりとただの喧嘩の区別のつく日本人はそう多くない(これは私の印象でしかないが)。そもそも、そうならないように、よほど気心が知れていて何でも議論できる相手でない限り、不用意にワクチンや精神医療、原発の問題を持ち出してはいけないのである。

・彼らがネットでデタラメ知識・えせ医療・疑似科学・デマを広めるのを残念ながら現時点で止めることはできないし、そういう人たちに感化された人たちが増えていくのを抑えようとするならば、それはネット上で彼らとガチンコの戦いをすることを意味する。大変悔しいが、日々きちんと仕事をして日常生活を普通に送りたければ、それは避けるべきだと言わざるを得ない。まあ、トンデモとの戦いが三度の飯より好きな趣味というなら話は別だが、多くの人には生活があるし、食わせて守らなければならない家族だっている。

・では、何もしなくていいのかと言えばそうではなくて、しっかり正しい知識をちゃんとしたソースからこっそり勉強しながら、いろいろな意見に触れてリテラシーを高めるというのが正しいやり方。ネットはいろいろな言説に触れることはできるが、「ネットにアクセスして言説を書き込むことができる」という時点でかなりのバイアスがかかっているということも忘れてはいけない。

・ネットでもテレビでもマスコミでもない情報源をもつよう、極力努力をする。あと、公共のネットで自然科学を論じるなら高校卒業程度の数学と物理、生物の知識はあった方がよい、というかないと大恥をかく。文科省の検定教科書があれば独学は可能。

・ネットをトンデモ論で炎上させて、反論に対して「私の書いた本を読んでから反論してください」などといったたぐいの炎上マーケティングには十分注意。

・で、最後に。たとえ陰謀論が根拠の言説であっても「偶然」結論が正しいということはありうる。もちろん、科学的な考え方の筋道としては最悪なのだが、結論そのものを「陰謀論が根拠であること」のみをもって否定するスタンスは絶対にとってはならない。それは非科学的な考え方であり、陰謀論を根拠に現代医療を否定する輩と同じレベルに堕することを意味する。あくまで論じるべきは、結論の「蓋然性」であることを忘れてはならない。

・まとめると要するに、人命や健康、人間の尊厳にかかわることは、不用意に論じるべからず。公共の場で論じるならそれなりの覚悟と(最低限ではなく)十分な事前の勉強を、ということ。

これらの論が有害だからといって叩き潰すことばかり考えると、本当にしなければならないことの時間が大きくとられます。

それこそが、日本という国全体にとって、大きな損失であることを常に念頭に置きつつ、冷静に対応することが大切なのではないでしょうか。

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