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2020年1月

保健所は一体、何をやっているのか!?~新型コロナウイルス肺炎


ご無沙汰しております。
こういったブログ投稿をしておりますと、ファクトチェックの手間がすごくかかるので、なかなかポンポンとコンテンツを上げられない状況が続いております。

そんな中ではありますが、新型コロナウイルス肺炎が中国・武漢を中心に発生し、
厚労省の1月27日付発表では、1月24日12:00現在で、中国で2,744名の感染者が診断され、80名が死亡する惨事となっています。

一応公衆衛生医師のブログを名乗っている以上、さすがにこれをスルーすることはできません。

とはいえ、収集可能な情報は厚生労働省のサイト国立感染症研究所のサイトから収集できますし、
WHOのサイトWPROのサイトなんかでも様々な情報が発出されているわけです。

感染症専門の医師がわかりやすく解説してくれていたりもしますので、
今更屋上屋を架すが如きをやってもしょうがないので、
ウイルス学的事項や医学的事項についてはそれらのサイトを御覧ください。

SNSなんかを見ますと、何かあればまず保健所に連絡、という投稿が至るところに見られ
様々な広報の成果が現れているようで、ありがたい限りです。

ただ、じゃあ保健所は何をやっているのか、というのが一般市民の皆様から見えづらいのもまた事実です。

どうしてかというと、実際の事例が発生するか、直接の相談を受けたりしない限り
通常保健所が相手にしているのは個々の市民ではなく、
管内の市町村だったり、医療機関だったり、あるいは今回のような例なら、宿泊施設さんだったりするからです。

「保健所は啓発を行わないのか?」という声もありそうです。
例えば北海道のホームページでも触れてはいますが、
あまり細かいところまでの記載はしていません。

これはどうしてかというと、
厚生労働省や国立感染症研究所からの通知やプレスリリースなども1日1日変わっていく中で、
どれだけ急いで更新したとしても、リアルタイムにならず、結局「遅れた情報」になっていくばかりでなく、
ちょっとした情報の齟齬が混乱を引き起こす可能性が大きいからというのもあるかと思っています。

「ならば、国や国立感染症研究所のHPをみてください」という方が早くてかつ正確で即時性があるからです。

だから、住民のみなさんから見えない裏側ではいろんな調整に動いているのですが、
表立って「保健所が何かをしている」ようには見えないのです。

一方で、「疑い事例」が出ると話は変わってきます。
おそらくどこの保健所であっても、「疑い事例発生時フロー」や「マニュアル」などを作成したり、
患者受入が想定される医療機関との調整を事前に行ったりして、
いざ事例発生の際にはすぐに動けるように準備をしているわけです。

具体的には、疑い事例が出た場合の行政検査の手配と検体の発送(現在は国立感染症研究所ですが、もうすぐ各地方衛生研究所レベルでも調べられるようになるはずです)、
当該患者さんの医療の手配・受診調整、サーベイランスの届け出窓口としての業務、
然るべき医療機関への患者さんの移送、
そして確定例となった場合は、国や都道府県とも連携しながら、
本人の疫学調査、濃厚接触者の追跡フォローなどの感染拡大予防対策を行っていきます。

「疑い事例はその時点では公表しないのか?」「検査陰性の公表はしないのか?」という声が聞こえてきそうです。

仮にそのような事例が発生したとして、検査が陰性であった場合、
保健所や自治体が発表した情報から個人や場所の特定につながれば、
それは「重大な人権侵害」につながってしまうことになります。

一方で、検査陽性例、つまり確定例については、これまでの例から
厚労省が対応し、「感染拡大予防対策に必要な情報のみを公表」することになります。
実際、厚労省の記者会見の模様をライブで何回か見ましたが、
感染拡大予防に関係ない情報については公表しない方針を貫いていました。

問題は検査の結果待ちとなっている疑い事例です。
厚労省のサイトによれば
1月27日12:00現在で、国内で14件の検査を行い、うち4件が陽性(つまり公表されている確定例)でした。
裏を返せば、14件検査をやって、10件が陰性であるわけです。

感染症対応においては「人権やプライバシー」と、社会防衛の概念は
時に相反するものとなります。
その匙加減は大変に難しいものです。

たとえば報道各社にしても、記事にするネタが欲しいでしょうから、
当然いろいろなことを聞いてくるわけです。
それはそういう仕事なので仕方がないとは思います。

しかしながら、社会防衛のために、感染者、あるいは疑い症例の人の人権やプライバシーに
制約を加えて良いということになりますと、
それはかつてのハンセン氏病の悲劇を繰り返す端緒となりかねない、ある意味危険な考え方でもあります。

行政としては、その匙加減を慎重に図りながら、やっていくしかないのです。

「健康危機管理」という言葉があります。

住民という集団の健康を害する可能性のあるリスクとしては、
今回のような感染症であったり、集団食中毒、環境汚染、水質汚濁、はたまた毒劇物を使用した犯罪であったり、
あるいは地震・大雨のような自然災害であったり、あるいは戦争や騒乱なんかまで挙げられます。

そのような危機的状況において、住民の健康を政策的手段で守るための方策が、
いわゆる「健康危機管理」なわけです。

具体的にはリスクに関する調査を行い、いろんな可能性を潰していき、
そしてそのリスクを他部局と協力して取り去る、あるいは実際の有害事象として住民に害が出る前に
食い止めるというのが危機管理の手法となります。
根本的手段から姑息的手段まで、有効と思われる様々な手段を用いることになります。

現在中国で行われている旅行制限や移動制限もその一つの手法です。

しかし、通常の状況でそんなことをすれば当然日本では人権問題になるわけで、
そこは、対象となる健康危機のトータルでの怖さによってさじ加減を変える必要があるわけです。

こういった危機管理や、危機に際しての陰での調整作業なんかはなかなか見えにくいところなので、
それもあって、有事に保健所が何をするのかが分かりづらいということになってしまいます。

今回のコロナウイルスにはまだまだわからないことが多くあります。
しかし、それと同時にわかってきたこともいろいろ出てきました。

国、都道府県、保健所、そして各市町村、医療機関、その他の施設など
さまざまなクラスタが協力しあって、なんとか人的被害を最小限に食い止めるべく
頑張っていかなければなりません。
みなさまにおかれましても、行政や自治体から協力依頼がありました際には、
何卒ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

各自治体ごと行政医師募集リンク集(九州・沖縄)(2020年1月20日現在)

おまたせしました。これで最終となります。

九州

福岡県(今年度の応募終了) 北九州市(募集期間終了) 久留米市 大牟田市(県への移管に向け調整中) 福岡市(募集期間終了)
佐賀県
長崎県 長崎市 佐世保市
熊本県 熊本市
大分県 大分市
宮崎県(所属行政医師によるコラム。応募サイトへのリンクは切れている) 宮崎市
鹿児島県 鹿児島市

沖縄

沖縄県 那覇市



公衆衛生医師の業務内容については、こちら(全国保健所長会サイト)や
厚生労働省のサイトを見てください。
拙ブログの「公衆衛生医師のお仕事」カテゴリーもご参照いただけると幸いです。

注意事項
・あくまで公衆衛生・地域保健や保健所勤務に興味のある医師向けに情報提供の目的で編集したものです。
・都道府県名のリンクは都道府県立保健所や本庁医師の募集、
 市名のリンクは保健所設置市(指定都市・政令市・中核市)の行政医師募集です。
・リンクは2020年1月20日現在のものです。リンク切れ・内容変更その他ご容赦ください。
・「保健所 医師募集」「公衆衛生医師 ○○(自治体名)」などで検索した結果でリンクしています。
 なるべく網羅を心がけましたが、所詮個人のサイトなので、漏れはご容赦ください。
 むろんですが、内容の正確性には責任を持ちませんのでご了承ください。
・リンクのない自治体は求人案内へのリンクの見つけられなかったところです。
 ちゃんと丁寧に探せばあるのかもしれませんが、あくまで個人サイトなのでそこは勘弁してください。
 また、その中には、現在医師を募集していない自治体も含まれていますのでご理解願います。
「ここが漏れてるよ」とか内容の誤りに関するご指摘はもちろんありがたく受け付けますが、
 すぐに修正ができるとは限らないのでご容赦ください。

なお、あくまで個人の趣味による活動ですので、
 所属組織や職場、研究班等とは一切関係ありません。(毎回のおやくそく)

各自治体ごと行政医師募集リンク集(中国・四国)(2020年1月9日現在)

中国

鳥取県 鳥取市
島根県 松江市
岡山県 岡山市 倉敷市
広島県 広島市 呉市 福山市
山口県 下関市

四国

徳島県
香川県 高松市
愛媛県 松山市
高知県 高知市

九州・沖縄はまた後日。

更新を待てない方はこちら(全国保健所長会の求人ページ)へ
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・「保健所 医師募集」「公衆衛生医師 ○○(自治体名)」などで検索した結果でリンクしています。
 なるべく網羅を心がけましたが、所詮個人のサイトなので、漏れはご容赦ください。
 むろんですが、内容の正確性には責任を持ちませんのでご了承ください。
・リンクのない自治体は求人案内へのリンクの見つけられなかったところです。
 ちゃんと丁寧に探せばあるのかもしれませんが、あくまで個人サイトなのでそこは勘弁してください。
 また、その中には、現在医師を募集していない自治体も含まれていますのでご理解願います。
「ここが漏れてるよ」とか内容の誤りに関するご指摘はもちろんありがたく受け付けますが、
 すぐに修正ができるとは限らないのでご容赦ください。

なお、あくまで個人の趣味による活動ですので、
 所属組織や職場、研究班等とは一切関係ありません。(毎回のおやくそく)

各自治体ごと行政医師募集リンク集(東海・近畿)(2020年1月6日現在)

東海

岐阜県 岐阜市
愛知県 名古屋市 豊田市 豊橋市(平成29年度の内容) 岡崎市
三重県 四日市市

近畿

滋賀県 大津市
京都府 京都市
大阪府 大阪市 堺市 豊中市 高槻市 枚方市 八尾市 寝屋川市 東大阪市
兵庫県 神戸市 姫路市 尼崎市 明石市(試験受付は1月6日で終了) 西宮市
奈良県 奈良市
和歌山県 和歌山市(リンク先からアクセスできるPDFは昨年度のもののよう)

中国・四国以西はまた後日。

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・リンクは2020年1月6日現在のものです。リンク切れ・内容変更その他ご容赦ください。
・「保健所 医師募集」「公衆衛生医師 ○○(自治体名)」などで検索した結果でリンクしています。
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 むろんですが、内容の正確性には責任を持ちませんのでご了承ください。
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 また、その中には、現在医師を募集していない自治体も含まれていますのでご理解願います。
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