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「北海道の医療の実情」とは(病院再編統合に関連した若干の分析)(3)

承前

2,不便な公共交通

Jr_20191013182701

 左がJR北海道のサイトから拝借した路線図、右が道内の再検証対象医療機関54箇所の分布図(再掲)です。
 そして、フリーハンドで囲ったのがJRの通っていない、あるいは長期不通となっている場所に存在する病院です。

 オホーツク海沿岸、中~北部根室、そして、日高東部~十勝南部、十勝北部の一部、岩内~松前の日本海側各医療機関が該当します。

 JRが通っていなければ、自家用車を持たない人の通院手段は必然的にバスや乗り合いタクシーとなりますが、
 こういった地域のバスはたいてい1日3~4本で、まさに「吉幾三」の世界です。

 このような地域の医療機関を再編・統合を進めるにあたっては、
 一定の配慮が必要となります。

3,医療供給体制の公立・公的医療機関への依存

 北海道のとくに地方の医療の大きな特徴として、
 地域医療の大部分を公立・公的医療機関に依存している自治体が少なくないということがあります。

 それを示すデータを下記に示します。

Photo_20191013184601

データは、図上をクリックして拡大して御覧ください。

上段が「自治体唯一の内科標榜医療機関」、つまり、これをなくすと
町内にかかりつけ医がいなくなる、という医療機関です。
全道単位で再検討対象公立・公的医療機関の3割弱、道東・道北では4割弱が該当します。

下段は「自治体唯一の有床医療機関」、つまり、これをなくすと
町内で入院できなくなる、という医療機関です。
全道単位で再検証対象公立・公的医療機関の6割、道東・道北では実に85%近くが該当します。

なぜ、「自治体唯一」とあえて特出しにしたのかというと、
こういった医療機関の維持は、
該当する市町村にとって、市町村政上の最重要課題に位置づけられている現状があるからです。

実際に、
オホーツク管内雄武町の町長選挙にあたって、町立国保病院の常勤医を1名から2名に増やすことを
公約とした新町長が当選したわずか数日後に、当該病院が名指し公表されてしまったのは
まだ記憶に新しいところです。

ここらへんやはり「解いておくべき誤解」がありまして、
「再編統合」というのは、マチから医療機関をなくすこととイコールではなく、ダウンサイジングや回復期などへの機能転換、
診療所化なども含めた話であり、
厚労省が示したのは「再編統合が必要な医療機関」ではなく、「再編統合の必要性について特に議論が必要な医療機関」です。
そして、地域にとっては、維持可能な医療体制のために
「何を残すために、何を手放すか?」この議論を真剣に考えなければいけないということです。

例えば、「ここがなくなったら血圧の薬をもらいに20km離れた隣町までバスで行かなければいけない」とか
そういう次元の話ではないし、そういう話も含めて地域でしっかり議論されるべきなのです。

続く

 

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