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「北海道の医療の実情」とは(病院再編統合に関連した若干の分析)(4終)

承前

4,小規模病院・少人数の医師に支えられる地域医療

今回対象となった病院に勤務する常勤医の数をまとめてみました。
なお、情報ソースは「北海道医療機能情報提供システム」なので、
いくぶん、現状とズレがあるかもしれない部分はご容赦ください。

Photo_20191013190701

54医療機関中、半分以上に当たる28医療機関が
常勤医師3名以下となっています。

とくに常勤医師1名~2名のところでは、
かなり過酷な環境(平日毎日当直とか、万年オンコールとか、盆・正月に1~2日以外地域からほとんど出られないなど)に
なっていることが予想されます。

もちろん各市町村において医師招聘を行うことでこういった事態はその医療機関は解消されますが、
基本的に医師招聘合戦は限られたパイの奪い合いなので、
この事態を最終的に解決するには、やはり「病院」の集約化や、診療所化とサテライト化を並行して行う以外の
解決策は難しいと思われます。

【雑感とまとめ】

・道内の病床機能分化については、各病院・自治体の不信感を払拭すべく努力を継続していく必要がある。

・医師偏在トップ3である、宗谷・根室・日高については、地域枠卒業生等による充足が期待されるが、
 長期的に維持可能な医療体制の構築は未だに課題として残ったまま。

・北海道の、とくに道東・道北における医療機関の集約化は、【広域分散・寒冷積雪】【不便な地域公共交通】
【公立・公的医療機関に依存する医療供給体制】【小規模病院・少人数の医師に支えられる北海道の地域医療】のほか、
 各自治体の抱える事情により決して容易ではない。

・しかし、効率的な医療の提供と、人的医療資源の疲弊防止の観点から、広域的な視点での医療提供体制の再構築は必要。

・そのためには丁寧な議論、住民の理解を得ることと並行して、医療周辺のインフラの整備もこれまで以上に行っていく必要がある。

以下、今回の分析の限界を示します。

・医療機関間距離はGoogleマップの経路検索で機械的かつ手作業でまとめたので、
 実際に予想される患者の受療行動を必ずしも反映しない場合があり得る。
・医療機関同士の距離なので、医療機関がカバーする圏域の広さが反映されない。
・内科標榜医療機関の医師の専門が必ずしも内科とは限らない(他科医の「なんちゃって内科」を除外できない)
・通院の困難さは距離だけでは測れない(鉄道やバスの有無、本数を反映しない)
・有床診でも積極的に急性期を診ている施設もあるが、それを反映していない。
・病床機能のデータが29年7月1日現在である(それ以上新しいデータが未公表)
・軽傷外傷はプライマリの受診先を科や属性で特定することが難しい。
・直近の急性期病院については病床機能報告上のものなので、実際にはもっと近い
 「回復期」「慢性期」病院で急性期入院診療が行われている場合もあり得る。

なお、今回グラフ作成に使用した生データをここからDLできるようにしておきます。
すべて公表されているデータに基づくものなので、ご自由にお使いいただくとともに、
編集の多くは手作業ですので、誤りについてはご容赦ください。
(もし誤りを見つけたら、ブログサイト右下のメールか、コメント欄にご一報いただけると幸いです)

以上ですが、最後に、北海道、とくに道東がどんな世界かを示す
「It's 北海道」というべき画像を提示して本稿を終わります。

Jusco110km
※いろいろなまとめに転用され、原典がわからない画像です。もし、著作権等主張される方がいらっしゃいましたらご一報ください。

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