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「北海道の医療の実情」とは(病院再編統合に関連した若干の分析)

さて、前回は、

健康診断にひっかかっただけなのに精査をすっ飛ばして『それは治療が必要だ』と横やりを入れる

が如き話をマスコミが報道したために

田舎の首長さんや住民が大混乱という話を書いたわけですが、

新聞などには「実情を無視」などとも書かれていました。

今回の公表の趣旨から言えば、厚労省は地域の実情など一切考える必要がなく
(あくまでスクリーニングの趣旨なので、)
それを地域でしっかり自分たちで考えてくださいというものだったのですが、
では、北海道の医療の「実情」とはいかなるものか、
少しでも現場の状況を反映できるデータが、
公表されているデータだけで何とか作れないかと試行錯誤してみましたので
少し長いですが、おつきあいください。
(この後、とある会議に出すための資料を用いてブログ用に文章を改めて起こしたものです)

54

まずは、今回名指しされた54施設の分布図です。
大部分を占める赤いコマが「診療実績の少ない医療機関」で、
青いコマが「近隣に機能の類似した医療機関が存在する医療機関」です。
道内ほぼくまなく網羅されているようにも見えますが、
意外なことに留萌管内が皆無で、後志管内も1施設にとどまっています。
ここの分析はよくできませんでしたが、今回の趣旨とは外れるので割愛します。
(追記:後志は小樽市のほかには病院自体4軒しかなく、
    留萌も病院が6軒しかないうち、急性期は留萌市立と道立羽幌しかなく
    地域の小規模病院で急性期を申告しているところがないという事情のようです)

さて、北海道の医療を語る上でいくつかのキーワードがあります、すなわち
「広域分散・積雪寒冷」
「不便な公共交通」
「医療供給体制の公立・公的医療機関への依存」
「小規模病院・少人数の医師に支えられる地域医療」

これらに関して現在の医療体制が失われた場合どうなるのかも交えて
少し考察してみることとします。

1,広域分散・積雪寒冷

これはそのままズバリで、北海道の場合、隣町まで40~50kmは当たり前であり、
しかも冬にはあちこちの道路が冬季通行止めになったり、悪天候で通れなくなったりするという状況で、
単純に医療の需要量だけであるべき病院配置を決めることはできない、という理屈ですが、
実際のところはどうなのでしょう。

さて、地域でみなさんが身近にかかる、いわばかかりつけ医に求める機能は何かを考えてみましょう。

「急病などの外来診療」
「軽い外傷の診療」
「比較的高度な救急(脳卒中・心血管疾患・多発外傷など)医療」
「急性期入院医療」
「小児科の専門診療」(外来・入院)
「分娩受け入れ」
「人工透析」

だいたいマチからなくなると大騒ぎになるのはこんなところでしょうか。

この中で、
「軽い外傷の診療」は内科にかかることもあれば、外科・整形外科、少し知恵のある方なら皮膚科・形成外科にかかったり
受療先が特定困難なので今回は考察しません。
「比較的高度な救急医療」については現状でもある程度集約化されており、
「分娩受け入れ」については54施設中1施設しかなかったので考察対象から外します。
(そもそも周産期医療センター指定医療機関は再検証対象そのものから外されてます)

そうすると、ここで論じるのは
ア,外来診療機能
イ,急性期入院診療機能
ウ,小児科の専門診療機能
エ,人工透析

ということになります。

長くなるので次に続きます

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